ふるさと料理

今ではだんだんふるさとの味を、味わうことも薄れがちになってしまいました。
南予地方に伝承されたふるさとの味、ふるさと料理を見直してもらおうという県主催の『ふるさと料理教室』の案内を知り、さっそく参加させていただきました。

    

丸ずし、ほうたれのぬた、さつま、ふかの湯ざらし、とろろ汁、めんかけ、福めん、すり身の天ぷら、紅白なますなど山の幸、海の幸に恵まれた郷土の料理を、もっともっと若い人たちにも受け継いでほしいと思います。
ふるさと料理は、市内の一流の調理士さんが多数ご指導して下さって、本当にいろいろ教えられることばかりです。
たとえば盛りつけ一つにしても、いかにもおいしそうで、トマト一個そえるにしてもただ切って並べるだけだった私にとって、トマトがすばらしい真っ赤なお花として、おさらの上に変身?。

    

私たちの子供のころ、紋日はとっても楽しみなものでした。
ふだん粗食であっただけに、『ごちそう』が食べられる日を指折り数えたものでした。
昔とくらべ生活様式も変わり便利になりお金さえだせば、なんでも食べたいものが手に入るようになりました。
横文字の料理が、なにかあたり前のようになってしまった昨今です。
主婦も、働きにでている人がいっぱいになりました。コトコト手のかかる料理に時間を費やすよりも、もっともっとほかのことに、時間をかけるべきだとおっしゃる人もたくさんおられると思います。

    

『ふるさと料理教室』のはじめのあいさつのなかに、「ふるさと料理は、私たちの祖先がそれぞれの気候風土に合った、特色ある料理を生活の知恵であみ出した遺産です」と述べておられましたが、やっぱり折にふれ、子供たちにもふるさとの味を残してやりたいと思っております。

    

昭和五十二年十二月十九日 愛媛新聞「てかがみ」掲載

   

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