ホオズキ
四歳と五歳の二人のむすこは、毎日毎日が何でも好奇心のかたまりで、いたずらで、ワンパクの真っ最中である。
つい先日も、裏の家に、青い袋をいっぱいつけたホオズキを、四、五人の仲間たちとひきぬき、実をちぎり散々のいたずらをしている。
赤く色づきかわいくなるホオズキを思うと、裏の家の奥さんに申し訳なく、重々おわびする。
散々ちらかっているホオズキの実を片づけながら子供たちに
「青いホオズキもいたいいたいって泣いているのよ、かわいそうに。もうこんなことをしちゃあだめよ」というと、
五歳の兄は「もうしないよ。ねぇ純ちゃん、おかあちゃんごめんなさい」と素直にあやまる。
ふっと私自身、もう二十年も昔、
その当時、山梨県の甲府の町はずれにいた私は、やはり近所の友だち大勢と、近くの寺社のすぐそばの、大きな家の庭にまっ赤に実っているホオズキがほしくて、大勢でぬき足さし足で取りにいき、皆が一列に小川に素足を入れて並び、そのまっかなホオズキを口に入れて遊びながら、大きな声をはりあげて、歌をうたった一コマが、まるで一枚の絵のようにはっきり浮かび、今子供たちがちらかした、この青いホオズキの実が、たまらなく、いとおしく、なつかしく思うのであった。
昭和四十三年八月三日
愛媛新聞「てかがみ」掲載
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