生活の詩

Y子ちゃん、近々ご結婚されるとのことおめでとうございます。
あなたが選んだ人きっとすばらしい青年だと思います。結婚生活7年の先輩としてあなたに生活の詩(うた)をつづってみようと思います。

   

二十二歳で結婚、二十三歳で長男、二十四歳で二男をさずかった私、二人の子供をあずけての一昨年までの共働き生活、とても甘い新婚生活とはほど遠い日々でしたけど、でもとても充実した毎日だったと思います。早番、おそ番と不規則な勤務の中で二人の子供を育てるのはとてもつらいものでした。

冬の雪の降る寒い朝、早出のため五時起床、眠っている子供を背負って、子守のおばさんの家に連れて行く時、涙がこぼれることもありました。

またおそ出の勤務が終わって、おばさんの家に寄ると子供は待ちくたびれ眠っていることもしばしばでした。苦しみも多かったけど、それに耐えられる喜びも大だったと思います。
四畳半の間借り生活から借家住まい、そしてわが家を得るまで、ただただ主人とともに一生懸命生活と戦ってきたつもりです。

   

でもこれからです。わが家を得た借金も返さないといけないし。
人間のしあわせは人それぞれ異なるでしょう。
でも女って結婚して妻となり母となることって一番のしあわせじゃあないでしょうか。
夫婦が協力して一生懸命生活を築いていく、すばらしいことだと思います。

一昨年会社をやめやっと主婦として母親としてゆったりした気分にひたっています。
会社をやめ、気がつかなかった生活の知恵も身につけました。家計簿も一生懸命つけています。
一等のお肉の半値ぐらいな三等のお肉のおいしい料理法や、大根の葉っぱのおいしく食べれることも知りました。
四月には二男も幼稚園、そして今私のおなかは三人目の子供の胎動を感じています。押し入れからあまり布やねまきのお古で目下、自己流ベビー服を作製中です。

Y子ちゃん、しあわせになってくださいね。

   

昭和四十四年一月二十四日 愛媛新聞「てかがみ」掲載

   

   

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