みっちゃんおめでとう

春はどこからくるかしら、あの山超えて―わが家の春はこの四月一年生になる長男です。初めてわが子が小学校に入学すると考えただけで、親としての責任を痛いほど感じてきます。新しい机、ランドセル、学校へ行く日を指折り数えて、楽しみにしているわが子。

   

二年前、幼稚園の入園式の日「お母さん」といって、涙ぐみ私の側を離れなかったこの子。
入園して一週間、集団生活にはいれず、しょんぼり泣いたこの子。
二年間の集団生活で、見ちがえるほど、たくましく成長してくれました。この子が初めて小学生になる、泉のように喜びがわいてきます。

   

おひなさま

菜の花の咲き乱れる野道を見つけたら、私はこの子の手を取って「一年生おめでとう」と祝ってやりたい。そして思いきりかけっこをしよう。

この子のこれから高校まで十二年間それとも大学までの十六年間の長い長い学生生活の出発点です。この長い長い学生生活に、この子ははかりしれないさまざまのことを学ぶことでしょう。

   

まだランドセルが歩いているような一年生、純心でかわいい一年生。
どの子もみなかわいいのです。その一年生の仲間に、この子がはいるんです。うれしいなぁ。

初めてこの子の口から「ああちゃん」と呼ばれた時のうれしさ、今この子が一年生になるうれしさ同じ大きい大きいうれしさです。

「みっちゃん、おめでとう」

   

昭和四十五年四月二日 愛媛新聞「てかがみ」掲載

   

   

昭和40年代後半一覧へ戻る

フィード