人生の道のり

遠い山の向こうの知らない町よ♪~
いつか馬車に乗って行きたいよ♪~

   

学生時代、良く口ずさんだ歌です。
大海原の遠い世界に、輝かしい自分の未来を夢みて遠い山をめざして、平らな道やデコボコ道、いばらの道や底なしの恐ろしい沼地を、あえぎもだえ、苦しみながら人は登って行くのです。
自分の歩んだ道を、ふり返ることはあっても、決してうしろにはもどれないのです。
自分をささえるなにかを求めて、苦しみでなげ出したいことや、立ち止まって動けないこともあったでしょう。

   

遠い山の向こうの町を求めて、どれだけ歩かなければいけないのでしょうか。
今の私は、そう平らな、ゆったりした道を、歩いているのでしょう。何でも楽しく見えます。明るく見えます。
夫というやさしい伴侶を得、いたずらだけど、健康で明るい三人の子供たちに囲まれ、女として母として最高のしあわせだと思います。

   

だけど、これから先、どんな道が待っているのでしょうか。
はげしい風雨にさらされたり、なだれに出合うかもしれない。これから先の道のりはだれにもわからない。
でも、どんなに苦難の道が待っていようと、もしも来世があるのなら、私はためらうことなく、同じ道を歩むでしょう。

   

昭和四十六年二月十八日 愛媛新聞「てかがみ」掲載

   

   

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