四人のむすこ

大きなおなかをかかえて歩いている私に、みなさん「今度こそ女の子だといいわね」「男だったらどうする」なんて言われるたびに「本当女の子がほしいわ」、「男の子だったらどうしようかな」なんて答えながら、ぜいたくな望みと思いながら、やっぱり女の子がほしいと思っていました。

   

苦しいお産のあと、「男の子ですよ」の先生の声に、少々がっかりしました。
でも病室から新生児室の、わが子の泣き声の「オギャーオギャー」が、おかあさん、おかあさんって聞こえるようで感無量でした。

ぜいたくだわ、五体満足で健康なわが子に、感謝しなくちゃあ神様のバチがあたります。主人も「いいよ、いいよ、男の子が四人、結構だぞ」なんて言ってくれます。

もしかしたら、バーもキャバレーもご存知ないまじめなダンナ様は、大きくなったむすこたちを引きつれてバーやキャバレーを豪遊してみたいと思ってるのかもしれません。
そのかわり、大きくなったら、四人の娘がふえるんですから楽しみです。

   

おばあちゃんをふくめて、わが家は七人の大家族。
町内でも一、二の大世帯になってしまいました。核家族も何のそので、毎朝仏様のお線香のかおりでわが家の一日が始まります。

子供も手のかかるのは幼稚園にはいるまでです。あとは友だちとの遊びに夢中です。
それでいいのじゃないでしょうか。
親を必要とする時は、一生懸命親のぬくもりを伝えてやり、だんだん手を離したら必要な時にだけ、そっと手をさしのべれば。

   

大きくなった四人のむすこたちに、おふくろの思い出をうんと残してやりたいと、何かあるたびにメモをしたり、文をつづったり、子供たちに貧しくとも心のかよった、ぬくもりのある家庭を残しておいてやりたい。

いい子、いい子の男の子より、いたずらでも、わんぱくでも、少々おぎょうぎが悪くとも、型破りな男の子であっていいと、思っている母親です。

   

昭和四十七年四月三日 愛媛新聞「てかがみ」掲載

   

   

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