新聞投稿にみる一主婦の生きる知恵
生きること・・・
夫婦のこと・・・
家族のこと・・・
社会のこと・・・
時代の流れとともに、今の自分たちが置き忘れてきた・・・
大切な生きる知恵、生きる価値観が「てかがみ」に、しっかりと書き綴られています。
読み通してみて・・・
家族を一番に考える、家族が上手く付き合うコツ・・・
それを教えられている・・・
そんな気がします。
「手なべさげても」・・・母にみる夫婦春秋
苦労も一緒に
「手なべさげても」なんて言葉は死語になってしまった。少しでも条件の良い相手を探し、苦労のない生活を親も子も求める。
この人と一緒ならどんな苦難も耐えられる、と強い信頼で結ばれた私たちは、死語になった結婚生活のスタートだったけれど、ふり返ってみてけっして惨めだったとか、つらかったという思い出は不思議とない。
無からの出発は、何でも二人で相談、少しずつ生活用品を求めた。結婚した翌年の大きい買い物は、ボーナスで扇風機を買ったことでした。涼風が心地良く、ささやかな幸せだった。南こうせつの『神田川』を聴くたびに、結婚生活二十八年が昨日のことのようによみがえってくる。
来春、四人目の末っ子が巣立つと、元の二人暮らしにもどる。若さも遠ざかり、あいかわらず貧しい生活だけれど、温かさがいつも家族を包んでいる。長男は本当に良いお嫁さんにめぐまれた。後三人の息子たちも願わくば「一緒に苦労したい」と、とび込んできてくれるお嫁さんを求めなさいと言いたい。
長い人生の中で、二人して五十歳に近づき、再出発の時期を与えてもらった。長男から四男まで、子育て二十七年間の思い出は、子供たちに教え、教えられたすばらしいときめきの日々であった。
折にふれ、ひもといてみる過ぎし月日は、宝石にも似た輝きと余韻をしっかりきざみ込んでいる。再出発をするこれからも、ただひたすら努力し『実年神田川』なるせつなさにおもいをはせながら...。
平成元年 愛媛新聞「へんろ道」掲載
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